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2018年2月28日 (水)

晴れ渡る空の中で(2)

2018年2月25日(日)


トラが空へ旅立ってからたった一夜。
今日はトラの身体を神様に返さなければなりません。



好物で最後まで喜んで食べていたCiaoの真空パックのささみ、かつお。食欲廃絶期に助け舟として活躍してくれたネコ用鰹節。具合が悪くなると気合いを入れる為に欲しがったコメットのまたたび。ススキ型の猫じゃらし、ネズミのおもちゃ…。身体が軽くなった今なら食べてくれるかな? 遊んでくれるかな? と一つ一つに想いを込めて入れました。

毛布は、闘病初期の夏に使ったチップ&ディールの毛布を敷きました。よく、「可愛い毛布で寝てるね!」と褒められたのを思い出します。そして、昨夜取り寄せたブーケの花を一本ずつ切り、トラの身体の周りに飾り付けました。




トラの身体は現世を生きる役目を終え、魂は既に別の世界にあるのだから……と、何度も自分に言い聞かせながら、一時間前の朝10時には斎場に着くように気力を振り絞って身支度をしました。(家人は昨日の電話で斎場の方と何を話したのか殆ど覚えてないというので、段取りを改めて確認する為に早めに行く事になりました)


市内の動物霊園までは車で30分弱。しかし山の上に位置するので坂道に弱い自家用車で雪の坂を登るのは難儀しました。思わず、「トラ助けて!!」と青くなる場面がありましたが、「こんな時にまでトラに心配をかけてどうするんだ」と自分を戒めました。

どうにかこうにかで駐車場に着き、降り立つと直ぐに神主さん(神式の霊園の為)に「御遺体をお預かり致します」と火葬待ちの部屋にトラを連れて行かれそうになってしまったので「実は昨日の電話では気が動転しており、段取りが何もわからない」ことを説明し、まずは受付の待合室に通してもらい、改めて説明をして頂く事になりました。





最近できたのでしょうか。綺麗な所です。

しかし、予想通りの行き違いが…。火葬には段ボールの箱が使えないのだそうです(遺骨の上に沢山焼け残ってしまう為)。斎場は(火葬料に込みの)白い小さな布団に乗せ替えるよう提案してくれましたが、フラットな布団の上には花や見送りの品々を乗せられなくなるので、オプションの火葬用バスケットをその場で買い、トラを移動させて飾り付けし直しました。

※実は添え花の用意も依頼していたらしいのですが、すでに沢山の花でトラを囲んでいた為、斎場が揃えた1,500円のオプション花はキャンセルに。(斎場の花は百合などの白い清楚な色味の花だったので、自分で用意したビタミンカラーのブーケでトラを飾れて満足でした。トラには元気な色が似合います)


そんなバタバタを終えて葬儀が始まりました。本職の神主さんが「冥福祈願詞」を上げてくれる「神式」での儀式です。

最初は「葬儀までしなくても…」と戸惑ったのですが、やはり儀式というのは遺された者への心の区切りになります。神主さんと共に最後の詞を唱え、玉串(神垂を結んだ榊の葉)をトラが眠るバスケットのある祭壇前に捧げ、二礼(音を立てずに打つ)忍び手二拍手一礼にて式を終えた時は、幾分か心が平穏になりました。


それでも、火葬に入るトラを見るのは辛く、身体は冷たいけれど補液治療でフワフワになりメイプルシロップの香りを取り戻した可愛い可愛い被毛と頭を撫で、「いつかまた会おうね」と見送りました。

トラがお骨になるまで40分。サービスで付いてくる骨壷や骨壷の袋はシンプル過ぎて寂しいので辞退し、トラに似合う物を探しました。デザイン性の高い骨壷、敷布、ネコの形のお香立て、火の要らないキャンドル風の薔薇型LEDライトを購入しました。

今日の葬儀代と購入した物の支払いを済ませているうちに、お骨拾いの時間が来ました。

火葬室に呼ばれ、怖いような気持ちがありましたが、とても綺麗に残ったトラの真っ白なお骨は、闘病の際に飲んでいた薬の跡である緑色の粉がついていたり、尾骨の側には脱力した最期の身体には出てなかった宿便が10cmほど焼け残っており、「本当に闘い抜いたね、頑張ったね…」と胸を打たれる思いがしました。家と家族を何より愛してくれたトラ。早くお家に帰してあげよう、と骨として拾える部分は出来るだけ全部拾い、急ぎました。




トラが旅立った空は快晴でした。


やっと私達もお腹が空いてきたので、「昨夜出来なかった、お通夜の食事をやり直そう」ということになりました。お気に入りのお寿司屋さんで持ち帰り寿司を買い、コンビニでお酒を買って帰宅。ピャーが待ちくたびれて出迎えに来てくれました。

トラの遺影とお骨に献杯をした後、「神式での葬儀が出来たことは良かったね」と話が弾みました。トラが生まれた場所は『魏志倭人伝』にも書き残された、あの祈祷師の卑弥呼が女王として君臨した邪馬台国ゆかりの地。そんなトラが八百万の神の信仰を持つ日本古来の神式の儀で送り出された事に家人はとても感銘を受けていました。

それからは涙、涙でお互いの想いや後悔をお酒と共に洗い流して。いつのまにかトラの居ない2回目の夜は更けていきました。


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